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豊潤な香りを持つ、ユニークにして唯一の伝統的アマレット
豊潤な香りを持つ、ユニークにして唯一の伝統的アマレット
Vol.5 ラッツァローニ アマレット/ラッツァローニ社(イタリア)
フィアンセと一緒に作り上げた香ばしいアーモンドビスケット
 イタリアのデザート作りに欠かせないアマレットは、アーモンド風味のリキュールです。大ブームになったティラミスには大事な隠し味としてアマレットが効果的に使われていますし、同じく人気デザートであるパンナコッタも、アマレットなしに作ることができないといってよいほど。
 そのアマレットの代表メーカーであるラッツァローニ社が誇る名酒が、ラッツァローニ・アマレットです。ラッツァローニ・アマレットの話に入る前に、まず、ベストセラービスケットである“アマレッティ・ディ・サローノ”の話から始めなければなりません。
 ラッツァローニ社はイタリアで最も古いビスケットメーカーとして知られていますが、その歴史は18世紀にまでさかのぼります。先祖の城を巡る紛争に嫌気がさしたラッツァローニ家の人々は、スイス国境近くのグリジョーニからサローノに移り住むことになるのですが、このサローノの食卓で重要な位置を占めていた食材がアーモンドでした。
 この地の人々は、タルトや米料理、カラメルシュガーを使った歯ごたえのよいお菓子などにして、アーモンドを十分に楽しんでいました。冬になると、チロチロと燃える暖炉のまわりでのくつろぎの時間、老人たちはアーモンドをワインに浸しながら若者たちに昔話を語り聞かせるという、のんびりした人情の厚い土地柄でもありました。
 そんな頃、ミラノの枢機卿ベネデット2世が突然サローノに立ち寄るという思いがけない出来事が起きたのです。敬愛する枢機卿を歓迎するために村中大騒ぎとなりました。ところが、予期せぬ大人数の一行に、村中のビスケットを持ち寄っても足りない始末。このとき大活躍したのがジュゼッペ・ラッツァローニという若者でした。
 彼は荷馬車を駆ってフィアンセの家に向かい、前日に殻割りを済ませたばかりのアーモンドとフィアンセを乗せ、途中で新鮮な卵と砂糖を仕入れて村に戻り、さっそくビスケットを焼き始めたのです。砂糖がダイヤモンドのようにきらめくカリカリした歯ごたえの香ばしいビスケットを、二人は“アマレッティ”と名づけました。
村の急場を救った“アマレッティ”は、枢機卿にもたいへんに喜ばれたことはいうまでもありません。後に“アマレッティ・ディ・サローノ”の名で、このアーモンドビスケットはイタリア中の人気を集めることになります。
ミラノ郊外、サローノにある工場。
 
創業当時の社屋を描いたイラスト。
今日も変わらぬ佇まい。
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アーモンド抽出液を使わない元祖としての誇りある製法
 この出来事から三代を経た1851年、ラッツァローニ家で誕生したのが、今日“ラッツァローニ・アマレット”の名で親しまれているリキュールです。なぜ長々とビスケットの話をしてきたのかというと、実はこのリキュールは“アマレッティ・ディ・サローノ”ビスケットから作られているからです。
 簡単に工程を説明しますと“アマレッティ・ディ・サローノ”ビスケットを比較的低温でゆっくりと焼き上げ、焼成後、細かく砕いて粉末にし、スピリッツに3か月以上漬け込みます。浸漬の間に、スピリッツにはアーモンドの香りが溶け込んでいきます。その後、さまざまな香草の抽出液をブレンドしてさらに熟成させ、ようやくラッツァローニ・アマレットは完成します。
 今日、ビターアーモンドやビター抽出液を使った“アマレット”も多く流通していますが、アマレットの名はもともと「快いほろ苦さ(アマロ)を持つちっちゃな物」という意味でビスケットに付けられたアマレッティの名に由来するもの。つまり“アマレッティ・ディ・サローノ”ビスケットを使う製法のみが、伝統的かつ正統的なアマレットということになります。
類似のものとは一線を画するユニークにして唯一の伝統的製法によるアーモンド・リキュール、それがラッツァローニ・アマレットです。
現在もアマレッティ(ビスケット)が原料。
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お菓子やカクテルの材料として世界中で愛されるリキュール
 ラッツァローニ社は、このアマレットを世界中に広めたことで知られています。四角いボトルに貼ってある赤いラベルには、古い船の絵が描かれていますが、これは世界の各地に拠点を置きたいという同社の理想を形にしたもの。今ではラッツァローニ社のシンボルともなっています。
 とはいっても、すべて順風満帆に時間が過ぎていったわけではありません。大きな危機も一度ならずラッツァローニ社に襲いかかりました。その最たるものともいえるのが、1977年の春に起きたパオロ・ラッツァローニ(現社長)の誘拐事件でした。
 このとき、ラッツァローニ社には、同情にあふれた多くの手紙が寄せられました。イタリアを代表する名酒メーカーに対する好意、こうした犯罪を憎む気持ち、恐怖のどん底に突き落とされた家族への思いやり・・・数多くの手紙は、ラッツァローニ社に大きな勇気を与えました。
 今日、ラッツァローニ・アマレットが作られているのは、ミラノ郊外のサローノにある近代的な工場です。大聖堂にも鉄道の駅にも似ていると形容される工場には、いくつもの製造ラインが作られ、多彩なビスケットもここから世界中に送り出されています。
 アーモンドの甘い香りと香草の複雑な香りが渾然一体となったラッツァローニ・アマレットは、カクテルに、お菓子にと大活躍。なにより生クリームや牛乳との相性がよいということが、ラッツァローニ・アマレットの特徴です。
ラッツァローニ社の伝統のレシピによって作り続けられているラッツァローニ・アマレット。この豊かな香りのリキュールから、想像力に満ちた新しい着想の銘菓が誕生する日もきっと近いことでしょう。
長い歴史を感じさせるポスター。
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  • ラッツァローニ
    アマレット
  • イタリア
  • alc.24%  750ml
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