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カリブ海の歴史とロマンに彩られた琥珀の芸術
カリブ海の歴史とロマンに彩られた琥珀の芸術
Vol.11 オールド・ジャマイカ・ラム/J.レイ&ネフュー社(ジャマイカ)
オールド・ジャマイカ・ラムの歴史は一軒の酒場から始まった
 J・レイ&ネフュー社が世界に送り出しているラムの逸品「オールド・ジャマイカラム」の歴史は、1825年、ジョン・レイという車輪製造職人がキングストンで1軒の酒場を開いたことから始まります。活気あふれる港町であり、商業の中心地でもあるキングストンで彼は成功を納め、やがてラム商人の道を歩み始めることになります。
 ラムがカリブ海諸島で誕生したのは17世紀の初頭。大英帝国がジャマイカを征服したことがラムを誕生させるきっかけとなりました。当時のラムは荒々しいお酒で、「悪魔殺し」とも「荒くれ」とも呼ばれていました。カリブの海賊たちが好んで愛飲した、まさに悪魔をも恐れぬ炎のスピリッツだったのです。海賊たちは世界の海を荒らし回り、そのお返しのような形でラムを世界中に広めていくことになります。
 18世紀に入ると、「荒くれラム」はしだいに飼い慣らされ、スピリッツとして完成の域に近づいていきます。当時、ロンドンやリバプールの酒場で“ジャマイカ”はラムの代名詞となっており、最上の“ジャマイカ”で乾杯することは、最も上質なスピリッツを楽しむことを意味し、英国海軍のいわゆる“ネイビーリカー”としても定着しました。
 ラムには、栄華や勇気、ロマンなどをイメージさせる雰囲気がありますが、それはカリブ海の美しい風景や、大いなる海を住処とした海賊たちの雄叫びによって彩られているせいかもしれません。
ラムの生まれた土地、ジャマイカ。
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大地震による被害を乗り越えカリブ最大の輸出業者に成長
 さて、J・レイ&ネフュー社の歴史に話を戻すことにしましょう。
ラムの製造を始めたジョン・レイは、1860年に甥のチャールズ・ジェイムズ・ワードをパートナーに迎え、会社名をJ・レイ&ネフュー社としました。ネフューというのは甥の意味です。
 ワードは商才のある企業家で、彼なくしては現在のJ・レイ&ネフュー社は存在しないといっても過言ではありません。帆船による海上輸送に便利なように波止場近くに会社を移転し、さらに大きく発展していったのですが、1907年の大地震により大災害を受けてしまいます。このとき失われたのは社屋や30もの小売店だけではありませんでした。社員2人の尊い命も奪われてしまうのですが、彼はすぐに古い酒場で販売を開始し、徐々に建て直していきました。
 現在、J・レイ&ネフュー社は3000人を超える従業員を擁し、3つの大きな砂糖きび農園でラムをはじめとするお酒の製造販売を行っています。ジャマイカ最古の会社として、またカリブ海最大の輸出業者として、世界60ヶ国を超える国々にラムの輸出を展開している一大企業となっているのです。
創業者 ジョン・レイ。
創業当時のJ・レイ&ネフュー社イラスト。
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経済効率や時間効率よりもラムの味わいや香りを優先
 ラムは砂糖きびから作られるスピリッツであることは、ご存知の通り。カリブ海から吹き寄せる風に波打つ砂糖きび畑は、ジャマイカを語るときに欠かすことのできない美しい風景です。
 大きく成長した砂糖きびは現在機械でカットされ、精糖工場へと運ばれます。葉を取り除いてローラーで粉砕し、搾汁を濾してオリを引き、さらに濾過し、ミルで水分を蒸発させるとシロップになり、やがて砂糖の結晶へと作り上げられます。このときに分離される濃厚な黒い液体はモラセスと呼ばれ、蒸留所に運ばれてラムの原料になるのです。
 蒸留所では、モラセスに水を加えて糖度を下げます。ウォッシュと呼ばれるこの液体に酵母を加え、30時間かけて糖分をアルコールへと変えていきます。この行程は、一見単純に見えますが、実際は熟練者の細心の注意と磨き抜かれた技が発揮される重要なプロセスです。こうしてアルコール度10%程度の発酵が終了したものが、ラムの母体になります。
 発酵の次の段階は蒸留です。蒸留には2つの方法があり、1つは昔ながらのポット・スチルによる単式蒸留、もう一つは近代的なコラム・スチルによる連続式蒸留です。ポットスチルでは、蒸留釜に蒸気を当ててアルコールを抽出する方法で、腰のある味わい深いラムが得られます。しかし、蒸留作業期間の長さ、どの時点で蒸留を止めるかという判断、その後の熟成期間の長さなど、熟練者の名人芸と多くの時間を要するため、世界的には主流ではなくなっています。
 これに対してコラム・スチルでは、3つのタワー型コラムを連続して用いることで効率的な蒸留を行うことができます。熟成期間も短くて済み、さまざまなタイプのラムを蒸留できるというのもコラム・スチルの利点です。現在、多くのラム製造会社では、この方法が主流になっていますが、風味という点ではポット・スチルには及びません。
 J・レイ&ネフュー社のラムが180年近くに渡って“ラムの逸品”として世界中で受け入れられている理由の一つは、ポットスチルへのこだわりにあります。「経費節約の名の下にラムの魂ともいうべき風味を売り渡すことはしない」という強い信念を貫き通し、5つのポット・スチルで香り高い豊潤なラムを、2つのコラム・スチルでブレンド用のラムを得るという絶妙のバランスを築き上げているのです。
J・レイ&ネフュー社の工場。
製法はポットスチルとコラムスチルを併用。
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オーク樽の枯れた香りがオールド・ジャマイカ・ラムの特長
 蒸留して得られた風味豊かなラムは、炭火で焼かれたオーク樽の中で長い年月をかけて熟成されていきます。やさしい木肌に触れながら呼吸をすることで、無色の蒸留酒はやがてゴールドから琥珀色へと変わり、年を重ねるごとに深い色になっていきます。熟成は、コラム・スチル物は約3年、ポット・スチル物は5〜12年にも及びます。
 こうして長い眠りの時間を過ごしたラムに施される最後の秘術が、ブレンドです。熟練したブレンダーは、ポット・スチルとコラム・スチルのラムの香りや口当たりなどを考慮しながら、最良の組み合わせになるように頭を悩ますのです。それはラムの結婚に立ち会う仲人のようなものであります。ブレンドされたラムは木樽の中でハネムーンを過ごし、やがてビンに詰められて世界中に運ばれていきます。
 オールド・ジャマイカ・ラムは、貴重と賞されるオーク樽の枯れた香りを特長とし、着色をしない琥珀色の芸術品として、世界中のラム愛好家に愛され、今も180年の歴史を刻み続けています。
ブレンドされたラムは樽の中で熟成を待つ。
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