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試練の歴史に耐えながらも、強く生き抜いたアルザスのワイン。
試練の歴史に耐えながらも、強く生き抜いたアルザスのワイン。
Vol.24 アルザスワイン/ ヴォルフベルジェール社(フランス)
情緒あふれるアルザスの町並みと魅力的なお菓子たち
 フランス北東部、アルザス地方。
 限りなく広がる葡萄畑に、木組みの美しい町並み。丁寧に手入れされた古い家々の窓辺には色とりどりのゼラニウムが咲きほころび、そのメルヘンな風情は子どもの頃に読んだ童話の世界を思い出さずにはいられません。かのヴィクトル・ユーゴーはアルザスを「幸せな町」と表現しました。家々の屋根には「幸福を運ぶ」コウノトリが羽を休め、ライン川周辺では新鮮な川魚とともに豊富な農作物が収穫され、ヴォージュの山で捕られた鳥獣を使った伝統的なアルザス料理やフォアグラは世界中から訪れる美食家の期待に十分に応えてくれます。
 そしてこの地方がもっとも活気づくのがクリスマスシーズン。クリスマスオーナメントで彩られたアルザスの街を歩くと店々のショーウィンドウに飾られたたくさんの「クグロフ」に出会うことが出来ます。
 クグロフはヨーロッパに古くから伝わる伝統的なお菓子で、山型に焼かれたブリオッシュにレーズンやナッツを練りこませたもの。斜めにうねりのある特徴的なクグロフの型は、カラフルで美しい絵柄が手描きで施されており、インテリアとしても楽しむことが出来ます。まさにアルザスの情緒を感じさせるお菓子です。
 そしてもう一つ、忘れてはいけないお菓子が「ル・ガトー・ド・ロンクル・アンジ」。アンジおじさんのケーキの愛称で親しまれているこのケーキは、20世紀初頭、アルザス地方の伝統や風習、そしてフランスのアイデンティティを描く事に身を捧げた「アンジ」こと、風刺画家ジャン・ジャック・ワルツに敬意を表し、ガストロノミー界の職人たちの手によってスペシャリテに仕上げられた焼き菓子です。
 パートシュクレのベースにアーモンド風味の生地、そしてプルーンを使ったこのお菓子は、アルザスのどこのお土産物屋さんでも見かけるほど広く親しまれています。レシピに使用されるアルザスビール〈オー・ド・ヴィ〉は今回ご紹介するヴォルフベルジェール社の製品である事も興味深い点です。
美しいアルザスの風景。
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ヴォージュ山脈の麓、試練の中で磨かれたアルザスワイン
 アルザスの葡萄畑はヴォージュ山脈から連なる丘陵にあり、スイス国境のそばのミュルーズの町近くからストラスブールの北側まで実に南北100キロメートル、幅は約2キロメートルと広大な規模を誇っています。
 アルザスでワインが造り始められたのは約2000年前。中世に入る頃にはすでにアルザスのワインは高い評価を受け、高額で取引されていました。アルザスの生産者達は今もそうであるように、厳しい品質管理とワイン造りへの厳しい姿勢を持ち、名声を保ち続けて来ました。
 しかしアルザスの恵まれた地の利をめぐって16世紀ごろには周辺の国々と争いが絶えず、葡萄畑は荒廃の一途を辿りました。そして本格的にワイン造りが再開されたのは第一次世界大戦の終了後のこと。アルザスワインの歴史はアルザスの試練の歴史とも言えます。
 こうして長い歴史を刻み続けたアルザスワインにはいくつかの特徴が見受けられます。例えば、フランスではワインが造られる土地や村などの名前がワインの名前となるのが一般的ですが、アルザスにおいては葡萄の種類そのものが名前になります。
 またアルザスワインは単品種の葡萄から造られることが多く、そのため7種類の個性豊かな味わいと、それに伴うさまざまな食事との組み合わせを楽しむことが出来ます。
丘陵に広大な葡萄畑が広がる。
葡萄品種そのものがアルザスワインの特徴。
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名実ともにアルザスでナンバーワンのヴォルフベルジェール社
 アルザス地方の中心地に、一世紀余の歴史を持つフランス有数の酒造メーカー、ヴォルフベルジェール社はあります。グループ企業として約800軒もの葡萄栽培農家をとりまとめ、AOCの遵守のみならずフランスの業界内では初のISO9002取得など、顧客の期待と信頼に応え続けたワイン造りへの厳しい姿勢は、歴史の中で受け継がれてきたアルザスの生産者の気質そのものです。1300ヘクタールにわたる葡萄畑からは年間1500万本もの高品質のワインが造られ、そしてコルマールの蒸留所では優れたオードヴィ・リキュールを多数生産しています。
 アルザス地方ではフランス国内のワインの3分の1が製造されており、そしてヴォルフベルジェール社はアルザスでナンバーワンのワインメーカー。つまりはフランス国内のみならず世界中にアルザスワインを送り出している優良なワイン製造企業と言えましょう。
 ヴォルフベルジェール社のアルザスワイン“ベルセゾン”ミュスカは、南仏の甘いスタイルのものと違いすっきりとした辛口で、芳醇な香りと軽いボディが特長。よく冷やしてサラダやチーズなどとともにアペリティフとして味わいたい白ワインです。
 そしてアルザスワイン“ベルセゾン”ピノ・ノワールは白ワインが9割以上もしめるアルザスワインの中にあり貴重なロゼ・ワインです。辛口で軽めのボディ、フルーティーな香りと口当たりのよさが印象的で肉料理、チーズ、サラダ料理との相性が抜群です。こちらもよく冷やして味わいたいカジュアルなロゼワインです。
 アルザス クレマンブリュット〈AOC〉は切れ味の良いドライタイプ(ブリュット)のAOCヴァン・ムスー。さわやかな酸味とほのかな甘みが絶妙のバランスのスパークリングワインです。「クレマン」の名の通りクリームのような滑らかできめ細かい泡と、黄金の色調と緑色の輝きを持っています。どちらも自信を持ってお勧めしたいアルザスならではのこだわりを持ったワインです。
 ヴォルフベルジェール社百周年の際に行われたパーティで葡萄栽培農家組合理事長のルネ・カントレ氏はヴィクトル・ユーゴーの言葉「神は水を創造したがワインを創造したのは人である」を引用し、会を締めくくりました。
 アルザスは美しい風景とワインへの強い情熱と信念を持つ幸せな土地。これからも多くのワインファンを魅了し続けていくでしょう。
ヴォルフベルジェール社 外観。
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